Baptême(洗礼式)に招かれて

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5月18日。
まだまだ肌寒いけれど灰色の空に新緑が明るさを添えはじめる季節。
去年の12月に生まれた友人夫妻の赤ちゃんの洗礼式に夫婦で招待された。
私自身はキリスト教徒ではないし、日本でもカトリック教徒の洗礼式に招待されるという経験はなかったので、光栄さと好奇心も手伝って喜んで参列させてもらった。

洗礼式はパリ16区のノートルダム・ド・アソンプション・ド・パッシーという教会で行われた。
集合時間の12時15分に教会の前に赴くと、友人の家族と見られる礼装した人々が既に集まっていて、和やかにお喋りをしていた。
彼らのお喋りに耳を傾けると、フランス語は一言も聞こえてこない。
イタリア語、ポーランド語、ドイツ語....。
それもそのはず。
友人夫妻とはイタリア人の夫とポーランド人の妻という国際結婚カップルなのだ。
その二人がドイツで出会い、イタリアで結婚し、フランスで子供をもうけた、ということで、家族・交友関係もかなりインターナショナルになってしまった。
35人の招待客中、フランス語を理解するのは、神父と夫と私だけ。
フランスにいながら、私達夫婦は最も少数派に属することになってしまった。

洗礼式の始まりを告げる合図があり、皆礼拝堂の席に腰掛けた。
さあ、これら多国籍参列者の前で神父はどの言語を使うのか...。

なんと神父はこちらの予想を超え、二国籍カップルの家族に配慮すべく、イタリア語とポーランド語の二ヶ国語で式を進めたのである。
信者でない私は、ひたすら神父の堪能な語学力と厳かな雰囲気に感動することしか出来なかったが、敬虔なカトリック教徒である友人夫妻にとっては感無量の出来事だったらしい。
神父が赤ん坊の頭に水をかけた瞬間(赤ん坊はギャーッと泣き出したのだが)、二人とも感動のあまり涙ぐんでいた。


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これで自分達の子供の誕生がカトリックの世界で認められたという安心感と誇らしさ。
“キアラ”と名付けられたこの小さなハーフの女の子は、その後、教会発行の洗礼証明書を授与され、晴れてカトリック教徒となった。
将来結婚式を教会で挙げるときは、この証明書が必要だという。

洗礼式が終わった時、時計はすでに午後1:30を回っていた。
「さあ、みんな!お食事をしながらキアラの洗礼をお祝いしましょう。」

友人が招待客の為に手配したタクシーが続々と教会の前に到着した。
行き先はブローニュの森の中にある個人所有の邸宅。
友人が今回のレセプションの為に半日借り切ったという。
この場所のセレクティングに彼らがかなり自信を持っていたのを知っていたし、お腹もかなり空いてきたので、いそいそと車に乗り込んだ。

(つづきます)

2008年06月08日