フランスに見る少子化対策~第4話 職業にこだわる母親達

女性は男性と同様、社会に出て働くことが前提となっているフランスでは、
妊娠すること、或いは妊娠していることが、キャリア上のハンディとならないように配慮されたシステムが存在する。

例えば、女性は特に団体協約で定められた優遇規定の適用を受けたい場合を除いて、自分が妊娠していることを雇用主に通知する義務はない。雇用主も女性が妊娠していることを理由に採用を拒否したり、解雇したりすることは法律で禁じられている。
そして法律で定められた産前6週間、産後10週間(計16週間)の産休期間は、ほぼ手取りの給料と同額が支給され(上限あり)、出産前に2年以上連続で働いた女性には二人目以降の出産後、子供が3歳になるまでは育児休暇を取る権利もある。育児休暇期間中は無給だが、そのかわりに国から育児休暇手当てが出る(月530ユーロ)。
しかも、産休・育休から職場復帰するにあたっては「前のポスト、或いは少なくとも同等の報酬で同等の仕事に戻れる」ことが法律で保障されている。

産休、育休後の職場復帰につきものの懸案事項、「復帰後ポスト」についてまで国が配慮してくれているのだから、フランス女性はさぞかし自由で融通の利くライフスタイルを送っているように思える。
しかし、実際に色々な人の話を聞いてみると、法律で保障されているものの、産休に加えて育児休暇をとる人は全体の2割前後にすぎないという。
いくら法律で職場復帰後のポストが保障されていても、実際は会社を空ける期間が長ければ長くなるほど、他の人に自分のポストを奪われる可能性が大きくなるし、事実上、自分は第一線の戦力としてはカウントされなくなってしまうからである。
さすがに育児休暇に関しては、「権利としてはあるが、目一杯行使すると不真面目な人と看做される」傾向があるようだ。日本の有給休暇完全消化に対する感覚に似ている。

また、これは個人の所得差にもよるが、無給で月々の育児休暇手当をあてにするよりも、フルに働いて通常の手取りをもった方が経済的にも安定する、という面もある。

というわけで、働く女性のほとんどが産後10週間で職場に復帰する。

ということは赤ちゃんはまだ3ヶ月。そして仕事はフルタイム。
どうやってフランスのお母さんはこれからの育児を乗り切っていくのか。

フランスは、母親の仕事と子育ての両立を可能にするような託児法、学校制度がある。

(つづきます)

2008年04月24日