たくさん払うには意味がある?

日本に比べて、とてつもなく高いフランスの社会保険料。
もちろんそれには理由がある。

社会保険がカバーする項目は、大きく医療、失業、年金があるが、特に医療システムについては、日常的なことだけに、現地に住んでいるとその有難さが身にしみることがよくある。

フランスで知り合った日本人の友人から聞いた話である;
彼女は、フランスで仕事をすることになったイタリア人のご主人に付き添い、初のフランス生活を始めることになった。
フランスにおいては二人とも外国人である。
ところが、フランスに移住して数ヵ月後、彼女が急性の腎臓病を患い、なんと腎臓移植手術を直ぐに行わなければならないという、危機的な状況に陥った。
こんな時、日本だったら、手術費は?ドナーは?と、病気自体とは別の深刻な問題が浮上するだろう。
しかし、彼女は、まだ住み始めてまもない異国の地で、直ぐに全額国家負担で移植手術を受けることができた。ドナーからの腎臓の確保も非常に早かったという。その後の入院費や通院費、薬代も個人負担ゼロである。
これはイタリア人のご主人がフランスに移住後直ぐに勤務先を通して社会保険に加入していたおかげである。

このように、大きな病気(癌など)になる程、医療費はほぼ100%カバーされるので、民間の医療保険に入る必要は殆どない。
また、不妊治療(体外受精等。但し手続き要)を含めて妊娠・出産関係も基本的に100%国が負担するので支出はゼロである(もっとも、これはフランスの徹底した少子化対策の一環でもある)。

ここまで医療保険個人負担率が少ないと、それを乱用?する人も出てくるのが常である。
風邪を引いた時や、ちょっと怪我をした時なんかに行く一般医。
個人負担分がほぼゼロなので、一度の風邪でも複数のお医者さんに掛かってみて、「医者比べ」をする人がいる。
患者にも言い分はあるものの、こんなことを長年許してきたので、フランスの医療保険はすっかり赤字になってしまった。
そこで、3年程前から「主治医制度」というものが設けられ、従前と同様の医療費の還付を受けるには、①自分の主治医(一般医)を社会保障機関に申請し、その主治医のみから診察を受けること、②専門医にかかるときは、自分の主治医に紹介状を書いてもらうこと、という制限が設けられた。

まあ、そんなことをしても、高齢化社会による医療費の増加にはとても追いつかない。
しかもフランスは多くの移民を抱えている。
福祉国家として名高いフランスでも、実は「年金受給開始年齢の引き上げ」「医療費の個人負担分の増加」という、日本と同じ現象がおきているのだ。
そんな中、フランスが国を挙げて取り組んでいる問題がある。
少子化対策である。
これはかなり徹底していて、フランスは、子供の欲しい女性にとっては天国のような国
(これについては、別の機会にご紹介)!
それにしても、子供を授かったフランスの女性、本当にいい待遇受けてます!

2008年03月12日